2021年09月30日

和瓦と本瓦

日本瓦は大きく二つに分かれます。(ここでは平板瓦は割愛しますね)
和瓦 と 本瓦 です。
◆写真上側は和瓦、手前側は本瓦

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本瓦の方が歴史が古く、本瓦が改良されたのが、和瓦と言われています。
本瓦は一体物ではなく、平部分を先に葺き、丸瓦を乗せていきます。
和瓦は一体物となっていて、本瓦より更に雨風につよい仕組みとなっています。

古民家の屋根は
垂木(木材)で、骨組みを造り、竹を並べ、藁を敷き、その上に土を盛り
土に瓦をはっ付けていきます。
瓦は土にはっ付いているだけなんですね(要所では針金で結ぶ)。
少々の雨風では水は瓦の中には入らないようにできていて、
限界を超えて、屋根の中に入ったとしても、土・ワラがその下にあり
染み込ませて、家の中に入ってこない、仕組みをとっています。
当時、自然素材の土・竹・木・ワラなどしかないので、その材料を
いろいろと試行錯誤して、この仕組みが出来たのだと思います。

現代人も本瓦、和瓦とも、進化させた形を持っていて、
試行錯誤しながら、良い物を追及しています。

街を歩くとき、一度屋根をじっくり見てみませんか??
◆写真は本瓦です。とてもカッコいいです。

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2021年09月26日

西讃にて古民家改修PLANです。

西讃にて、古民家再生工事のPLANを立てています。
4LDKの田の字型のまどりを、思い切って2LDK+土間に
しようとする、計画です。

部屋が少なくなる(間取りが変わる)という事は
柱や構造材について、検討が必要になります。
古民家の天井裏は、在来木造と違って、梁は大きく
曲がっています。思っていた部分に建物の荷重が
架かっていなかったりしますので、PLANの決定を
左右する柱の位置は、小屋裏をしっかり把握してからと
なります。
わりと自由になる、木造建築でも
『ここだけはどうしても』という部位があります。ので、
早々に案をまとめるのではなく、じっくり構えて
お施主さんと相談していく姿勢が必要ですね。

柱位置、構造〜以降も、仕上げ・材料・機器・そしてお金。
いろんな検討事項が控えています。
良い古民家に生まれ変わると嬉しいです!

※丁度一年程前に完成した、古民家です。

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2021年09月23日

小屋裏利用

古民家の改修工事で頼まれる内容で多いのが
小屋裏の利用です。
普段は天井の中に隠れている空間が、改修工事によって
認識されることになり、“少しでも利用できないもの??”と、
お話を頂きます。

利用するにあたり、ああして、こうして、こうなって、、と
注意するところや、費用対効果、検討することをお話して
小屋裏計画を立てていきます。

当然ながら、階段が必要になったり、暖冷房の事、窓など、
良い事ばかりではありませんので、デメリットにも
関心を寄せておかなくてはいけませんね。

いろいろ考えましょうね。。

※写真は丸亀で行わている、古民家再生工事
 小屋裏の工事が始まったところ
 丸太が混ざり合う場所に、小屋裏計画は結構難しいです。

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2021年09月19日

古民家のご相談でした。

中讃にて、古民家のご相談を頂きました。
石場建ての建物と、廻りの不動産との兼ね合いのご相談でした。
耐震改修工事も検討事項に入っていて、
数種類の業務が絡み合う、建築・古民家・不動産、連携の
ご相談となりました。

お施主様の近いうちの将来の安泰の為、今できる事を
考えておこう、という事が主旨となりますので
出来る限り、将来に不安を残さないご提案が
できれば良いと思います。

古民家をできる限り後世に残すために、
古民家と併せて、不動産のご提案も致します。
どうぞお気軽に。。











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2021年09月16日

古民家の用途変更

古民家はもともと “住宅” として、つくられたものです。
最近、古民家cafeとか、宿泊施設とかに転用(用途変更)されている
物件がありますが、建築基準法上では用途変更(特殊建築物)に
当たる場合、確認申請が必要となります。
確認申請が必要となった場合、現状の法律に合わせなさいよ という事に
なるのですが、構造体とかは合わせる術がほとんどなく、あきらめる事が
多かったのが現状でした。

空き家の問題が多くなり、令和2年の法規制で200uまでの用途変更は
確認申請が不必要となりました(オールフリーではないですよ)。
これに伴い、随分と用途変更が楽になり、壊されるかどうかといった
古い建物が残されるようになったり、活用されるようになったと思います。
かといって、何も規制されないわけではないです。建築基準法の他
消防法や衛生法等、他の法律も併せて守って下さいね!

不安な場合は、お問合せ下さい!

※写真は古民家を甘未処に再利用した飯山の物件です。

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2021年09月12日

古民家の丸太

古民家の醍醐味の一つに、小屋裏(屋根裏)の丸太がありますよね。
皆さん、すごいね〜〜と、おっしゃります。
凄いと思います。
すごいね〜と、おっしゃる方に、丸太の取り出し(生えている木から)、
現場までの運搬、製材の仕方、組み方、設計(墨出し)等など、
当時の作業風景と方法をお伝えすると、皆さん目をキラキラさせて
更に、すごいね〜〜と、なります。
ホント、すごいんですよね。。

古民家の再生時、この丸太を見せて欲しいというお施主様が多いです。
煤けた太い丸太、見ているだけで時の過ぎるのを忘れて
しまうかの様です。
丸太に墨書きなんかあると、最高ですよね!

◆写真は丸太の現し、何点か・・。

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2021年09月09日

ああ、またなくなるのか〜

気になっていた古民家が解体されていました。
随分状態が悪かったので、これ以上は危険と判断されたのだと思います。

協会を立ち上げるきっかけになったのも、カッコいいと思っていた
古民家が、パッと消えるようになくなり、駐車場になったりしていたのを
せめて、図面や写真でも残せないか。。できれば何らかの形で再生に
繋がらないか。。との思いから左官屋、瓦屋、設備屋、建築屋6人で
話し合ったりしていたのが始まりでした。
発足より11年。
数多くの古民家のご相談に伺いました。
立派に再生した古民家も多くありますが、残念ながら解体された
物件もあります。

簡単に残してほしいとは言えません。
残すことには、大変な量力が必要です。
お金もかかるし、精神的にもしんどいかもしれません。
でも、少しでも、なんとかならんかなあ??と、思えるようでしたら
お気軽にご相談ください。
お問合せで一番多いのは、“どうしたらいいの?”の問いかけです。

少しでも、後世に伝統建築や文化・想い出がつながれば
幸いです。

◆神戸にある箱木家住宅(箱木千年家)
 10年前に視察に伺った時の物。
箱木家住宅説明はこちらより↓
https://www.city.kobe.lg.jp/a21651/kanko/bunka/bunkazai/estate/bunkazai/syokai/hakogi.html

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2021年09月05日

同じ形状・同じ感覚

古民家を数多く見ていると、あまり見かけない仕上げや
丸太組を違う家で、パタっと見かけたりします。

よくある讃岐の農家の家はあちこちで見かけますが
庄屋さんの家や茶室で見た仕掛けや、数キロ〜数十キロ離れた所で
全く同じものを見かけたりします。
“これ、あそこの家とそっくり”と、いった感じなのです。

村には一組の大工、左官、建具屋等が備わっていたと思うので
その村の範囲で同じような仕上げや癖があるのは判るのですが
そこまで離れた所で、同じ仕事も伝わるのですね。

現代では、外壁、屋根、内装、建具等も工業化され、
全国同一の品物になり、九州から北海道まで町並みは
均一化されてきて、地域の町並みの姿は消えていく一方で
古民家には地域のこだわりが生き続けている妙味。
やっぱり面白いのです。

◆飯山でお仕事した家の土間小屋組み。
 これと全く同じ仕事をつい先日数キロ先で拝見しました。
 数キロだと、どちらかが先輩で、先輩の仕事を習って仕事したか、
 同じ棟梁が仕事した可能性がありますね。
 考えただけで、ワクワクします。

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2021年09月02日

古民家のポイント

古民家を見に行くときの一つのポイントが屋根です。
今の時代に、茅葺きそのままという物件はまずないので、
茅葺きに鉄板(銅板)をかぶせているか、瓦を利用しているかに
二分されます。
鉄板部分は大体大丈夫な古民家が多そうです。
問題は瓦の古民家。
これは、判断が難しい所です。
まず、不陸(いがみ)が無いか。これで大体は判ります。
不陸があっても、比較的状態の良い小屋組みの古民家もあります。
あと、ズレや隙間がないか・・。
古民家は、木と土と紙と石でできています。
水気には弱いので、瓦がずれていて、水気が家の中に入っていくと
寿命は一気に縮ます。

屋根の補修は古民家改修工事の中でも、多くの金額が掛かる部分です。
気を付けて観察しましょうねえ〜。

※写真は屋根を葺き替えでなく、塗装工事で綺麗にしたものです。
 上の段が塗装後、下の段が塗装前

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 全面終了後

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2021年08月29日

ご相談頂きました。

中讃にて、古民家のご相談に伺ってきました。
茅葺き屋根に鉄板をかぶした、香川によくあるタイプの古民家です。

“どういう風にしたらいいか、良くわからない??”
との事。。この相談一番多い悩みです。
そりゃ、解りませんよね・・。
工事費一体いくら?そもそも治せる??どうやってなおすの???などなど。
霧の中を歩いていくような感じだと思います。

でも、まずは、住んでいる人がどうしたいか・・なんですよね。
ゆっくり、そのお話をお伺いして、今までの工事内容等をお話し、
すこ〜しずつ、お話を聞いてもらいます。
1回では無理なので、何回も何回も、お話します。

この古民家も次世代につながって行くといいですがね〜。

※写真はイメージです。


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