2021年10月14日

古民家の梁はなぜ丸いのか?

古民家に興味がある人は、古民家のあの太く丸い梁が
とてもお好きなようです。
改修工事途中に天井から現れてきた梁を、できるだけ
見せてくれと、お施主様は大抵おっしゃいます。
丸く、曲がった大きな梁は、黒く煤が付き、カッコいい物です。

さて、なぜ古民家の梁は丸く曲がっているのでしょうか??

古民家が建てられた当時、機械が無かったことが第一です。
木を組み合わせていくには、四角い方が簡単な事は
誰でも解りますね・・。現代の梁は全部四角です。
四角い方が良いのですが、機械が無いために人力で四角に
しようとすると、1本作るのに二人で2~3日かかったりします。
また、
トラックみたいな運ぶ機械も無いために、できるだけ近隣より
梁の材料となる木を運んで来なくてはなりません。
裕福に材料がないわけなので、安易に四角にしよう とは
ならない訳なんですよね・・。

なので、丸くて曲がっている梁が使われています。
大変だったのです。。









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2021年10月03日

小屋裏探訪でお勉強

高松市内の古民家にて、小屋裏調査に入りました。
この地域一番の庄屋であろうお宅は、部屋からして
どれだけお金持ってたんや?と思うほどですが、
小屋裏に入っても、しっかりした仕事をしていました。

この日は丁度、大工も現場にいたので
二人で想像を膨らませました。
“おそらく、使っている木は、切り出してから3年程は最低乾燥させ
建てるのにも数年かかってるなあ〜。この村在住の大工では
ちょっとしんどいなあ〜。街の方から大工、建具屋、左官等
相当人数引っ張ってきてるのでは?車の無い時代屋から、
どこかの家で寝泊まりしたか、先に寝泊まりできる小屋を建てたか・・。”

“この柱は、おかしいなあ??
これは、後で、建てた当時を知らない人が建ててるなあ”

こんな話を交わしたりするのも、とても楽しいです。

現地を見ていると、いろいろ苦労や知恵が見えてきて
建築中の大工や職人らの息遣いも聞こえてくるように
思われます。
機械、車、電気の無い時代に、一生懸命頭と経験を駆使している
古民家の隠れている所が、お気に入りです。

小屋裏の様子です

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2021年09月30日

和瓦と本瓦

日本瓦は大きく二つに分かれます。(ここでは平板瓦は割愛しますね)
和瓦 と 本瓦 です。
◆写真上側は和瓦、手前側は本瓦

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本瓦の方が歴史が古く、本瓦が改良されたのが、和瓦と言われています。
本瓦は一体物ではなく、平部分を先に葺き、丸瓦を乗せていきます。
和瓦は一体物となっていて、本瓦より更に雨風につよい仕組みとなっています。

古民家の屋根は
垂木(木材)で、骨組みを造り、竹を並べ、藁を敷き、その上に土を盛り
土に瓦をはっ付けていきます。
瓦は土にはっ付いているだけなんですね(要所では針金で結ぶ)。
少々の雨風では水は瓦の中には入らないようにできていて、
限界を超えて、屋根の中に入ったとしても、土・ワラがその下にあり
染み込ませて、家の中に入ってこない、仕組みをとっています。
当時、自然素材の土・竹・木・ワラなどしかないので、その材料を
いろいろと試行錯誤して、この仕組みが出来たのだと思います。

現代人も本瓦、和瓦とも、進化させた形を持っていて、
試行錯誤しながら、良い物を追及しています。

街を歩くとき、一度屋根をじっくり見てみませんか??
◆写真は本瓦です。とてもカッコいいです。

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2021年09月26日

西讃にて古民家改修PLANです。

西讃にて、古民家再生工事のPLANを立てています。
4LDKの田の字型のまどりを、思い切って2LDK+土間に
しようとする、計画です。

部屋が少なくなる(間取りが変わる)という事は
柱や構造材について、検討が必要になります。
古民家の天井裏は、在来木造と違って、梁は大きく
曲がっています。思っていた部分に建物の荷重が
架かっていなかったりしますので、PLANの決定を
左右する柱の位置は、小屋裏をしっかり把握してからと
なります。
わりと自由になる、木造建築でも
『ここだけはどうしても』という部位があります。ので、
早々に案をまとめるのではなく、じっくり構えて
お施主さんと相談していく姿勢が必要ですね。

柱位置、構造〜以降も、仕上げ・材料・機器・そしてお金。
いろんな検討事項が控えています。
良い古民家に生まれ変わると嬉しいです!

※丁度一年程前に完成した、古民家です。

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2021年09月23日

小屋裏利用

古民家の改修工事で頼まれる内容で多いのが
小屋裏の利用です。
普段は天井の中に隠れている空間が、改修工事によって
認識されることになり、“少しでも利用できないもの??”と、
お話を頂きます。

利用するにあたり、ああして、こうして、こうなって、、と
注意するところや、費用対効果、検討することをお話して
小屋裏計画を立てていきます。

当然ながら、階段が必要になったり、暖冷房の事、窓など、
良い事ばかりではありませんので、デメリットにも
関心を寄せておかなくてはいけませんね。

いろいろ考えましょうね。。

※写真は丸亀で行わている、古民家再生工事
 小屋裏の工事が始まったところ
 丸太が混ざり合う場所に、小屋裏計画は結構難しいです。

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