さぬき市で改修工事に入りました古民家、現場は白熱してしてきました。
床を落し、悪いところに手を入れて、新しく床を造るのですが、
この古民家棟札があり、その棟札には“安政”と、書かれています。
江戸時代後期、安政の大獄の安政かと思いますが、そうだとすれば
160〜165年程前に建てられた(安政は1855〜1860年)建物です。
床の全貌(西半分ですが)が現れると、数十年前に足元を治した後が
見受けられます。昭和とかそんな時代の改修跡ではないようで、
大工が苦労して治している様子がとって見れます。
大体建物は見えるところには悪い部分はありません。
見えないところ(床下や屋根裏)に、致命傷や工事が大変な部分が
隠れていて、だからこそ工事前の確認が必要になります。
“こりゃ、治した大工苦労したやろうな” と、今の大工が言うてます。
なかなか、面白い場面です。
今から、今の大工が苦労するのですが・・・。
大工と知恵を合わせて、古民家をなおしていきます。
※柱の足元に木材を足して突っ張っていますが、
その突っ張っている木材も腐朽が始まっています。この部位は屋根からの
荷重が梁を通してしっかりかかりますので、隣接して梁を受ける柱を
もう一本追加します。
※書院の片方を小さい木で突っ張っています。
ここは構造的にそう荷重を受ける場所ではありません。
まっすぐ(水平)にはしておかないといけません。
※大工さん、何やらシコシコと建具廻りを治しています。
※西から見た古民家
イロハモミジと奥の銀杏の紅葉が素敵です。古民家はこれだから、たまりません。
この紅葉の横が新しく玄関となり、入り口戸が入る予定です。
一棟貸予定の古民家・宿泊者はこの入り口戸を開ける時、良い景色に出会えるように。