2023年01月30日

ヘリテージマネージャー授与式

令和4年度香川県文化遺産保存活用技術者養成講座
(通称ヘリテージマネージャー養成講座)の授与式が行われました。
文化財若しくは文化財になっても良い様な有形の物が
取り壊されていく中、文化財登録やそれに準じた活動ができる
人間を増やしていこうと、香川県歴史的建造物保存活用会議として
1年間、文化財について学びました。

普段なかなか目にできないような文化財や技術に触れる事ができ、
知らなかった知識、曖昧だった経験部分がしっかりと身に付く事ができ
とても有意義な1年間(60時間講座)でありました。

個人としては、なかなか文化財級の建造物に携われる経験は
今後も少ないとは思いますが、
一年間養った目で、見る角度が随分と変わりましたし、
建造物の内容も理解度がUPしていると思いますので
自分が触る触らないは別として
良い建造物を後世に残していく考え方や
それを伝える言動を増やしていきたいと思います。
ご教授頂きました、先輩方、先生方、
ありがとうございました。

※写真は授与式の様子
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2023年01月26日

瓦の不陸と構造の腐朽

中讃にて、古民家の改修工事を行っていますが
附属建物(納屋)の棟に波打つ様子があり、そこも補修する事に
なりました。

納屋は棟まで一部分目視できていましたので、ある程度予測しながら
棟部分の瓦をはぐりましたが、下から見ていた状況よりはるかに悪い
状態でありました。

現場で大工と瓦屋と補修方法を確認し、補修用の材料依頼、
大工への指示、瓦屋への依頼をお願いしました。
※写真は瓦をはぐり、悪い部分を取り除いた時の様子

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色々と試行錯誤しながらではありますが、なんとか補修方法を取り決め
職人さんに依頼します。
この時、補修方法の合理性と職人との人間関係が出来ていないと
なかなか、良しやろうか!とはなりません。一筋縄とはいかないのです。。

※なんとか補修に向けて工事が進んでいる所↓

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2023年01月23日

八栗の遍路宿 改修工事

八栗寺(高松市北部・四国八十八か所第85番札所)近くの
お遍路宿・築150年程度の建物の改修工事に昨年末より
入っています。
屋根瓦から軸組まで、ごっそりやり替え
お宿の経営方針から変えていく、本格的な事業です。
※写真は屋根瓦撤去時
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建物は雨漏りや白蟻被害に合っていて、
このあたりで何か手を打っておかないと、
今後の存続は難しい程に傷んでいます。
そんな時期にコロナ禍や代替わりの検討も重なり
地業の検討に入ったのが、昨年の夏でした。

工事は今年の半ばまで予定されています。
この建物の魅力と歴史を受け継ぐべく
残すと所は残し、刷新するところは刷新し、
以後、150年存続すべく建物になるよう
お施主様と頑張っていきます。
※写真は室内解体後

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2023年01月19日

国宝 松江城

年始に山陰へ出かけましたが、お目当ては松江城。
その中でも、柱・梁が目当てでありました。
1611年(≒400年前)築城、2015年国宝に指定。

柱、梁の何が目当てか・・。ひび割れでありますが
やっぱり、ありました。パックリ割れています。
安心しました。

更に分かったこととして、
@通り柱が、数か所に分かれている。(5階なのであたりまえか)
A柱を板で巻く工法(集成材の様)がされている。
でした。

大規模木造建築ですが、現在の様にLTCがあるわけではなく、
構造計算がされていることもなく、ボルトや免振装置があるわけでも
ないのですが、立派ですね・・。

※写真は
松江城、柱のヒビ、包板

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2023年01月15日

興雲閣

島根県松江城内にある、県指定有形文化財 興雲閣を見学してきました。

松江市が明治35年工芸陳列所として建築されました。
明治天皇の行在所に利用される目的で造られたため、
装飾・彫刻を多く用いた華麗な仕上げとなっています。
迎賓館の役目だったわけですね。
↓外観
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昭和44年に県指定有形文化財
平成23年に歴史的風致形成建造物 の指定を受けています。
所有者は松江市、木造の二階建てで、1階にはカフェもあり、
展示室〜ホール〜事務室
2階は大広間に貴顕室、テラスが併設されています。
(2階大広間は貸切る事も可)
↓大広間、テラス、ホール
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贅沢な造りの建物に身をゆだね、cafeでゆっくりするのも
良いかもしれませんですね。












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2023年01月12日

香川県文化遺産保全技術者養成講座(ヘリテージ)

香川県文化遺産保全技術者養成講座(通称ヘリテージ)と呼ばれる講座に
22年度参加しました。
年間を通じ、60時間かけて沢山の先生方々より文化財を学び見学し
最終的に登録有形文化財登録ができるまでの準備とし、グループで物件を選び
報告を通しても、学んでいくというスタイルです。
登録有形文化財とは、文化財保護法改正(1996)によりできた文化財登録制度に基づき
登録原簿に登録された有形文化財で、よく青銅色した看板が置いてある有形文化財です。
ほっとくと、どんどん無くなってしまうので、こういった制度が出来たのでしょうね。。

講義は、建築史から始まり、左官・屋根・構造・防災等、多岐に渡ります。
建築士でなくても受講はできますが、慣れていないと解らない部分が多く
ある内容です。
普段見る事の出来ない図面や、聞くことのできない細かいお話等
携わる事ができ、文化財への取り組み方、寺社や古い建築に関しての
見方が随分変わることが出来ました。

講義は来年度も行われるようですので、建築関係者の方はもちろん
一般の方もご興味がお有りでしたら、参加してみてはいかがでしょうか?
良い体験になると思います。
詳細はこちら↓
https://kagawa-historical-archi.org/














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2023年01月08日

2023謹賀新年おめでとうございます!

新年おめでとうございます。
本年もよろしくお願い致します。

なかなかここにもUP出来ていませんでしたが
昨年は古民家に携わることも多くありました。
更には、通称ヘリテージと呼ばれる
香川文化遺産保全技術者養成講座なるものも受講した
古民家活動に充実した一年でありました。

23年も古民家の改修工事を数件依頼頂いております。
私達の活動が、文化・建物を後世につながると嬉しいです。
なかなか難しい一年になるとは思いますが
本年もどうぞ宜しくお願い致します。

※写真は松江城の柱(正月に見に行きました)

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2022年01月09日

里山の古民家 工事掛かりました

昨年初より打ち合わせを重ねてきました里山の古民家が
工事着工致しました。
紆余曲折いろいろありましたが、方向性も決定し
本格工事の始まりです。

浴室・水回りの工事、電気給排水、傷んだ部分の補修等
工事は5月頃までかかる見込みです。

このあたりの庄屋さんだろうと思われるお屋敷が
再生されて、次の100年を送られる事に
とても感慨深いです。

新築時に携わった職人さんに、叱責されないよう
職人共々しっかりとやっていきたいと思います。

※写真は解体工事に入った様子です。

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2022年01月06日

仕事始め

新年明けましておめでとうございます。
旧年中は誠にお世話になりました。
今年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

正月休暇中は良いお天気に恵まれました。
皆様方に於かれましては、如何お過ごしでしたでしょうか・・。

2022年、1月6日より始動となりました。
今年は早々より、高松市で2件の古民家再生工事が始まります。
どちらも設計事務所案件であります。
無事に工事が進み、お施主様のご希望に添える様、
地域の宝として古民家が末永く存続できるよう
力を発揮していきたいと思います。

今年も宜しくお願い致します。

2022.1.2
京都 永観堂方丈庭 より 枯山水

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2021年11月21日

古民家床下小屋裏探訪

中讃にて、古民家の床下・小屋裏探訪に伺いました。
四方蓋と呼ばれる讃岐によくある形状の屋根ですが
一般的にある農家のお宅よりは、格式が少し上で大きさも
倍くらいある古民家です。この村では中核的な存在では?とも
思われました。

間取りを取り、屋根の状態確認、小屋裏〜床下探訪と
最初に行う現場調査を行いました。
田んぼが広がる景色と、讃岐の田舎の生活が色濃く残っている
屋敷にホッとする気分です。

お施主さんには小麦藁(屋根材)の保存方法や
若いころ行っていた屋根修理について、貴重なお話を伺うことが
できました。この村での慣行だとは思いますが、
興味深くありがたいお話でした。

行った床下・小屋裏探訪と現場調査については
整理して見解とともに、お施主様へフィードバック致します。

◆写真は床下探訪中。
床下は、懐が深くスイスイと進めましたが、ギョッとするお客さんも・・。

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